国鉄 ED54
ED54について
大正から昭和初期にサンプル的に輸入された電気機関車のうち(否 今まで登場した日本の全車輌中)最も特異な形態で異色の存在がED54でした。その昔より模型化され親しまれたED14、ED17、ED53(19)等に比べて一段と高い位置に在り模型ファンにとってはEF50と共に旧型電気機関車の奥ノ院的な対象としてとらえられていました。 1925年(大正14年)スイス・ブラウン・ボーベリ(BBC)〜スイス・ロコモティブ(SLM)製造。輌数2輌。旧番号は7000形(7000、7001)。スイス型のスタイルに加えブーフリ・ドライブ・システムが構造的、形態的にこの機関車の特長を端的に表しており最高速度100k/m、一時間定格出力1500kwはEF53、EF56を大きく凌ぎこの機関車の高性能ぶりが偲ばれます。この内容については鉄道史料第91号(鉄道史資料保存会刊)に詳細なブラウン・ボーベリ社によるカタログ・コピーの翻訳記事が掲載されており是非一読をお薦め致します。 この記事によれば東海道、山陽線の東京〜下関間を走破、御殿場付近では重連での使用を想定。当時の日本の技術レベルを越える高い設計思想に基づいて製造されており性能の悪さに手を加え改良され長命を保ったED17とは逆の結果になり、充分にこの機関車を使いこなす事ができず短命に終わった原因になりました。昭和23年の廃車後も昭和39年(1964年)まで保管されており、その解体が真に惜しまれるところです。その国鉄ED54の製品化は当社10年来の目標でしたがSLMよりオリジナル図面入手、また非常に貴重なお写真を拝借いたす事ができ、更にメーカー、当社スタッフの多大な協力により長年の夢がここに実現致しました。当社のED54はムサシノモデル流の的確で豊かなプロポーションとマニエリスティックなまでの細部ディティールを同時に表現するもので、現在の最先端の模型技術をおしげもなく駆使投入。超リアリスティックでありながらなぜか懐かしく温かいフィーリングを再現。微妙なエッチングパターンの彫りの深さ、大きさから最後の塗色とその艶具合まで全て当店でコントロール。ワイヤーカット仕上げのフレーム、フライス加工された外側のギア・ケース、ダブルエッチング、正確なプレス技術、精巧なロストワックス・パーツ、特長ある(外側からまったく見えない!)ブーフリ駆動側動輪輪心のドロップ・フォージングと加工技術のオンパレードです。もちろん正確な組立技術と美しい塗装、強力な走行性能と電関ファン待望の形式がこれ以上はない完成度で登場致します。
◆ 昭和2年以降 原形(真空ホース・渡り板付き時代) 塗色黒 形式称号改正前後から昭和8年頃までの姿 付属ナンバープレート ED541、2、7000、7001
◆ 昭和9年以降 改造(エアホースのみ) 塗色ぶどう1号 昭和8年〜9年以降のスタイル。故西尾克三郎氏の昭和11年沼津における写真が有名ですがそのスタイルの逆サイドを荒井文治氏が国津で昭和9年頃に撮影されておりその貴重な写真を参考にこの製品を作ることが可能となりました。 付属ナンバープレート ED541、2