2016.4.2
ムサシノモデル
国鉄ディーゼル機関車シリーズ





国鉄試作ディーゼル機関車のお花畑。


試作ディーゼル機関車シリーズ
TYPE1 DD41 フェザー(翼)マーク アイボリーと赤の塗り分け
¥117,000
TYPE2 DD41 フェザー(翼)マーク 銀と赤の塗り分け
¥117,000
TYPE3 DD90 ぶどう2号イエローライン
¥115,000
TYPE4 DD90 国鉄ディーゼル機関車標準色 金太郎塗り分け
¥117,000

当店では数多くの国鉄ディーゼル機関車を発売してまいりましたがこれらは二つのシリーズに分けられます。一つはDD13、DD16、DD51、DD54、DF50等国鉄の制式機関車として。もう一つは国鉄借入、試作ディーゼル機関車で、これまでDD42、DD51 1号機、DD91、DF90を製品化してまいりましたが今回これにDD41/90が加わりました。いつもの通り多おくの資料を基に一つの形式を時代による変化を交え正確に模型として再現しております。

TYPE1 DD41 フェザー(翼)マーク アイボリーと赤の塗り分け

TYPE1は1954年7月東芝での製造当初の姿を模型化。大井工場で行われた車輌展示会では量産形式DD12のナンバーを付けて展示されている。ボンネット側面に大胆なアイボリーと赤による翼マークの塗り分けが現在でも度胆を抜かれるデザインです。模型としてこの塗り分けを美しく再現する事がこの企画の最初の目的でした。

実物の軸距離2080㎜、動輪直径910㎜、模型ではそれぞれ26㎜、11.34㎜となりますが正確に再現致しました。動輪輪心はスポークになります。

ボンネット正面ルーバーはプレス加工により実物同様シースルーとなっています。

赤のラインが美しく再現されました。ボンネット側面ベンチレーターの凹みも立体的表現です。



台車はコイルスプリングを介してイコライジング可動します。





運転室側前面、ボンネット側共プレス加工により再現しています。特に運転室側は窓枠、窓抜き、ドア外周部の表現があるところをプレスの正確な絞り加工で仕上げています。最近ではこういう場合ロストワックスで作る事がコスト的にも安く多用されていますが平面性とRの美しさでコストは高く付くもののプレス製には遠く及びません。DD41の場合横から見て前面に傾斜が付くので一層加工に難しさがあります。キャブ内はフルディテールです。

TYPE2 DD41 フェザー(翼)マーク 銀と赤の塗り分け

1956年より大宮機関区で入換用として国鉄に借り入れられている。

アイボリーが銀に変わり一目見た印象はウルトラマン。



TYPE1と較べボンネット側面前部パネル1枚分が埋められそのラインが消えています。

TYPE1と較べ一段上がっているランボード側面にあった小さなハッチが無くなっています。






TYPE3 DD90 ぶどう2号イエローライン

1958年11月国鉄に正式購入されDD90となる。塗色はぶどう色2号。手摺りは黄色となる。

1960年代になるとボンネット上にランボードが追加され公式側(運転室が左側)側面にもボンネット上に上がる手摺りが追加されている。又横に並んだ各ハッチの手摺りが一つずつ上下互い違いになった。



TYPE3では一段高いランボード上面に大きなハッチが二つ追加されている。それに伴いそのボンネット上部に雨樋が設けられた。

TYPE3は窓を全開にした夏バージョンとし細かく作り込まれたキャブインテリア内部を楽しむ事ができます。

















エンドビームのゼブラマークも正確に再現致しました。


TYPE4 DD90 国鉄ディーゼル機関車標準色 金太郎塗り分け


1960年代半ば、最後の変化として国鉄標準塗色による金太郎塗りとなる。廃車は1975年。現役時代での写真では大宮庫において多くの9600に囲まれているのが見て取れます。

金太郎塗りのマスキングは見ての通り相当難しいものがあります。これも美しく仕上がっています。







屋上のエキゾーストの位置は実物資料と実車との間に相違があり、当店の製品では実物の写真に則った位置で製作致しました。

正確に作られた台車は形状だけでなくその奥行感も全体をリアルに見せてくれています。





美しく仕上がった金太郎塗色の塗り分け。

エンドビーム上デッキの繊細なディテール表現も見物です。

貨車と繋げると一層魅力が倍加されます。





当店ではDF40/91の製品化が10年来の懸案となっております。より忠実に再現する為、資料も集まってきています。数年後には形にしたいと考えています。




TYPE1a DD12 US Army黒塗色バージョン
8586、8588 ¥115,000
TYPE1b DD12 US Army黒と銀塗色バージョン
8587 ¥116,000
TYPE2 DD12 旧標準塗装 ぶどう2号に黄色帯
2、5号機 ¥115,000
TYPE3 DD12 新標準塗装(グレイ、オレンジ、ホワイト)
3,4号機 ¥117,000
TYPE4 DD12 新標準塗装(グレイ、オレンジ、ホワイト)
1号機 ¥117,000

アメリカGE製47t電気式ディーゼル機関車で終戦後直ぐ、1946年米軍が日本に持ち込み、8輌が大宮工場で組み立てられ国鉄に借用された。これが日本でまともに使用する事が出来たディーゼル機関車の最初となった。当初の形式は8500形と称された。1956年国鉄に5輌、名古屋鉄道に2輌、八幡製鉄に1輌が買い取られ国鉄では既にDD11があったので形式DD12とされた。昭和20年代前半の一時期鷹取や呉でも使用されているがほぼ東京とその周辺で使用された。最初東京機関区、その後品川機関区に配属されB6と共に山手線管内で使用されてる。DD13が大量に増備された事により一部が国府津区、久里浜機関支区に移り横須賀周辺の米軍関係の貨物等に使用されているが晩年は全て久里浜に移動している。1960年代半ば位までは山手線管内でDD13に混じって使用されていた。国鉄での廃車は1972年。

TYPE1a DD12 US Army黒塗色バージョン
8585、8588
TYPE1b DD12 US Army黒と銀塗色バージョン
8587

日本に持ち込まれた当初は恐らく米軍の戦車等と同じオリーブドラブ色に太い白帯一本。キャブセンターにUSARMYで大きく形式ナンバーが描かれていました。当店ではその姿ではなく1950年代国鉄籍に入る直前の塗色で製品化致しました。



黒一色の塗装、ランボードはグレイ。当店製品では車体の黒にほんの少しマルーンを入れる事で台車との質感の違いを出しています。この機関車も全て角がR表現になっているので正直正確に再現しようとするとかなりの手間が掛かります。キャブの屋根は妻面と側面を一体で作って曲げ加工したものにプレスで絞ってRを付けた屋根を半田付け組立したもので全ての隅Rを美しく再現致しました。ボンネット前頭部は多くの部品が付く為、一体ロストワックス製としましたがルーバーはDD41/90同様シースルーとしたプレスパーツを別途嵌め込んでいます。



8587号機はネコ・パブリッシング刊「データファイル1 JNRの車輌たち」51ページの写真を基に再現したものでボンネットとキャブ上部が銀塗装となっています。写真のデータによると1952年3月21日撮影となっています。

車体と台車の一体感を重視して実物同様、シルエットが隙間なく見えるようにしました。小さいながら低い重心の重厚感あるプロポーションが再現出来ています。台車は実機同様イコライジングによる軸バネ可動となっています。















今年で豊洲に移転する築地市場にもこのスタイルで貨車を牽いて入場してくる写真が残されています。






TYPE2 DD12 旧標準塗装 ぶどう2号に黄色帯
2、5号機

1956年国鉄に買い入れられぶどう2号塗色となったスタイル。



ツールボックス下にGEのメーカーズプレートが付いています。



この機関車も貨車と繋げて一層存在感が増します。

TYPE3 DD12 新標準塗装(グレイ、オレンジ、ホワイト)
3,4号機
TYPE4 DD12 新標準塗装(グレイ、オレンジ、ホワイト)
1号機

恐らく1964年頃国鉄のディーゼル標準色に塗り替えられています。DD12 1号機のみキャブ下方の形が違います。今回この違いを作り分け致しました。

キャブ内はシチズンマイクロ1320Wモーターを囲むようにキャブインテリアを取り付けています。







エンドビーム部開放テコ受けが長いものになりステップとステップの間にATS車上子が取り付けられました。











これらの機関車は小型車輌と云えるかもしれません。当店は「走ってナンボ」という言葉には組みしません。実機同様に模型でも小貨物や入換機として活躍出来なければなりません。如何に実感的な走行を実現させるか。その為に今回当店の大型機関車同様に高価なコアレスモーターを使用する事に致しました。集電ブラシはベリリウム銅。全軸集電、フライホイール取付効果による惰行によりレール状態の悪い場合や多くの複雑なポイント区間をスローでゆったりと走行させる事が可能です。コイルスプリングとイコライジングも小型機としては多くのウエイトを積んだ事によりその効果を発揮できています。
 以前製作した羽後交通のDCー1、2では当店に於いてコアレスモーターを積んだ形の模型化図面を作成していました。しかし、小売価格とのバランスの問題でこれを断念。キャノンCM16モーターを使用する事に致しました。西武E11の場合も同様でした。小型車輌は図面の作図に大変手間が掛かり(実機図面が無い)少しでもバランスが崩れるとリアリティがたちまち失われてしまします。数量も多く作る事が出来ず価格も低く抑えざる得ず単純に商売として考えた場合、非常に効率が悪く良いものではありません。正直このような小型車両を走行性能まで含めて完成品として製品化できるメーカーは他に無くなってしまいました。完成品の場合製作期間がキットのみで発売するのに比べ遥かに時間を要します。又投資する金額も数倍以上になります。しかし国鉄の大型制式機ばかり製作販売していたのでは余りにもつまらないものです。出来るうちにこのようなマイナーな車輌たちも形にしておかないと気が付いた時にはもう製作不可能になっているかもしれません。

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DD41/DD90 DD12注文書PDF