ラインナップ NO.8 2010.6.25
スーパーOJクラシックシリーズ 第9弾
国鉄 新性電気機関車EF66(6タイプ)
EF66-901 ブルートレイン牽引時スタイル
EF66 1次車 1~15号機ひさし無し
EF66 2次車 21~55号機 登場時
EF66 2次車 ブルートレイン牽引機 パンタグラフPS17タイプ
EF66 2次車 ブルートレイン牽引機 パンタグラフPS22Bタイプ
EF66 2次車 JRFクーラー付 新更新色
2010年9月中旬発売 税込価格¥672,000
只今予約受付中
この写真は昨年夏の塗装済み試作サンプルです。量産品はほとんど部品を作り直しました。
ムサシノモデルの
EF66はハードボイルド 2010.6.24
先進(SJ)モデルと足掛け3年取り組んできたOJ EF66が完成、発売へと近づいてきました。EF66はやはり想像以上に手強い相手でした。AJIN時代から進めて来たDD51も非常に難しい題材ですがまだAJINの工場長だった現ATM社長 趙 載 吉 氏が「DD51とDF50をOJで製作する事は受けても良いがEF66だけは絶対勘弁してほしい」と云っていたのが思い出されます。翻って先進モデル 社長 李 鉉 萬 氏はブラス・モデル・メーカーとして一番ゲージ、Oゲージのヨーロッパ型、アメリカ型モデルを作らせて現在最も力の有るメーカーです。ドイツ、スイス、イタリア、イギリス、アメリカと最高の評価をシビアーなカスタマーから受けています。OJ EF66プロジェクトをスタートする時、余裕綽々で最も難しいEF66で最高のOJモデルを作ると意気揚々でした。その先進モデルにしてもEF66は最高の難物で相当の苦労を重ねておりました。EF66の運転室屋根R部と正面窓下の部分は2カ月も掛けて一つ一つ金型を作る要領でインゴットの真鍮部材から削り出されたもの。SJモデルならではの仕事ですがこれを外注に出そうものならとてつも無い金額となってしまいます。1輌分で数万円・・・・・。この部分はEF66モデルの生命線でOJの場合プレス・パーツではどうしても甘い表現となってしまいます。もちろんロストワックスなどは論外。正確にバラツキの無い精度で削り出されたパーツをこれ又正確に組立てる事によってのみ窓サッシが前方より見ても横から見ても決められた角度で取り付ける事が可能となります。ATM趙 社長が「俺は死んでもやりたくない!」と云った言葉はこの部分の難しさを1/80 16番モデルで嫌という程経験した者の言葉です。ビシッと決まったエッジと力強いRの表現。当店のOJモデルに共通の言葉”ハードボイルド”を端的に表しています。
10年程前OJ EF65の製作を協力していた時¥448,000のEF65に対してEF66をもし製作すれば¥600,000は優に越えて来るだろうと云う事になりました。難物の前面に続き車体でも苦労。ベンチレータと明り窓の狭いスペースに折れ角が入ります。大きい分16番以上にOJは難しいところ。屋上のボルト表現は裏よりリベット状にプレスで打ち出した後、今度は表よりエッジの出たボルト状にプレスで形状を整えています。
PS17、PS22B、PS22Dとパンタグラフは枠部分のステンレス線材をレーザー溶接で組み上げています。先進モデル社長自らの組立品です。
キャブインテリアも出来る限りの作り込みを行いました。
機械室内は電動発電機、電動送風機、コンプレッサー、補助抵抗を両エンドに取り付け、中央部、高圧機器枠内にウエイトを収めてあります。
下廻りは先進の社長曰く、これだけでOゲージの蒸気が一輌組み上がってしまうと云う手間暇を掛けた凝りに凝った仕上がりです。台車も含めて実機図面に加え吹田機関区でのピットに潜り込んでの取材の成果が最高度に発揮されました。今までのこの手のOJモデルと比べて6~7倍の手間。大型ロストパーツをパタパタと床に張り付けて終わりと云う工法とは本質的に異なります。モーター周辺のディテールも物凄くカルダン・ドライブの中空軸まで再現。徹底的に作り込まれた台車共々真にハイテンション、高カロリー。ハードボイルドの一言!駆動方式は実物同様カルダンドライブとは行きませんが。やれば出来る!?イヤイヤ80万円の価値有るものを60万円前半の価格付けにするので無理。
ヘッドライト・テールライト、運転室室内灯は全てLEDライト。点灯後電圧を上げて行くとゆっくりと走り出し単機8V程で約80kmのスピードに達します。モーターは定評あるファウル・ハーベル1717Sを各軸に一つずつ、計6個使用。走行はスムーズで静か、かつパワフルです。最後に先進モデルの李 社長の一言、蒸気の倍の手間が掛かるぅー!