2009.7.12
C62 OJについての当社風コンセプト
現在C59のサンプルを製作中で上手く行くと8月のJAMに間に合うかもしれません(まあ、無理かなぁ)。ご存知のようにC62はD52のボイラーにC59の走り装置を新製し組み合わせて製造された機関車で完全な新製機ではありません。つまりC59のモデルを製作すると云う事はC62モデルを製作する上で誠に好都合、C62との共通パーツを大量に仕込む事を意味します。パシフィック機C57の経験が最大限活かして今C59に取り組んでいる訳ですがその延長線上にC62がある訳です。さてC57、C59との最大の違いは

(1)にD52譲りの太いボイラー
(2)にハドソン・タイプとしての従台車。
(3)にストーカー・エンジンの装備

以上の三つに集約されると考えます。

(1)についてはC57,C59よりむしろ容易に表現が出来ます。D51も含めてOJにて凹凸感を上手く表現して行くのは大変難しい事です。C62はその点ボイラーが太い事で何となくC62に見えてしまうというか、誤魔化しが効き作り易いという事が云えます。C57、C59、C56はそれ以外にもC62とは異なり非常に難しいポイントがあります。

(2)についてはカーブ走行故に従台車廻りのパイピング、フレームの巾等多少のアレンジが必要となります。梅小路のC62-2号機の従台車廻りを観察すると直ぐに解る事ですが後部フレームと従台車の車輪のクリアランスの何と小さな事!模型的にフレーム巾を多少狭くする必要がありますが当然このフレーム内には灰箱とそれに付随する部品がセットされます。当然これらも表現しなくてはなりません。C56 150号機の写真をご覧頂ければ分かるようにOJゲージでは当たりまえの事です。又OJゲージですから当然従台車は動輪とイコライジングをしないといけない訳です。この部分C61で先日良く観察してきましたがやはりそのままではクリアランスが非常に難しいものです。第3動輪と従台車を結ぶイコライザーは第3動輪左右坦バネがバネ中吊で結ばれ、そこから坦バネ吊により従台車に結ばれますがこのバネ中吊から出る坦バネ吊の巾を後部フレームに合わせ狭くして又、従台車前部の折込も深くして第3動輪との当たりを逃げる必要があります。又イコライザーの中心ピンはなるべく前方として動輪に掛かる重量(軸重)を増やす必要があります。さてここで非常に重要な事ですが動輪の軸距をアレンジしてしまうと(長くするという事)当然その長くなった寸法は前ではなく後ろに伸びるので第3動輪と従台車のクリアランスはただでさえ厳しいところ更に難しい事になります(従台車を後方に移すという事になるとOJの意味が無くなってしまいます)。もちろん動輪軸距離を勝手にいじるのも同様でしょう。下廻りの緊張感が大幅にスポイルされます。





さてC62をOJで製作する上でこれこそOJのC62だぁー!と云う部分が(3)のストーカー・エンジンの表現です。




もう15年程以前にアメリカのW&Rと云う真鍮モデル・インポーターが韓国メーカー サムホンサに造らせたHO蒸機モデルがストーカー部分をプラスティックで造ったものを機関車とテンダー間に差し込み、丁度ジョイントを結んだような動きでカーブ走行に対応していました。何とも良いアイデアだと感じました。それ以来自分がもしこの手のものをプロデュースするのならと想像をめぐらしていましたがその考えと同じ事を既に実行しているメーカーがありました。当社EF66OJモデルの担当メーカー先進モデルです。アメリカのブラスモデル・インポーターのKohs & Companyのホームページを是非ご覧になって下さい。PRR K-4プロジェクトの写真が参考になります。130P75テンダーのサンプルモデル写真をご覧になって下さい。

C57 4次車、C59戦後型、C61、C62のテンダーは俗に船底形と呼ばれますが、模型で表現する上でこの傾斜角とRは大変重要なポイントになります。最も図面通りに作ればまったく問題無い事ですが・・・・・・。

以上が当社でC62を企画する上でのポイントです。もちろんC56、C12、C57同様実物図面より模型化図面を製作するのでフレームその他蒸気機関車の構造を実物さながら再現して行きます。繰り返しますがC56 150号機の写真をご覧頂ければ良くご理解頂けると思います。この追求度でC62をOJモデルで再現致します。日本型蒸気機関車を作る上でC56以来当店が最も気を使ってきた事は日本型蒸気の持つ独特の情緒的なものの表現でした。実はこれが一番難しいのです。華奢で繊細、細部の日本型特有な柔らかな丸みの表現。当然日本を代表する大型機C62にも当てはまります。と大風呂敷を広げるだけ広げてC59サンプルでこけないようにメーカー共々頑張って行かなければなりません。