2015.3.7
2015 韓国メーカー訪問記 その1
3月3日~3月6日 韓国訪問
3カ月振りとなる今年初めての訪韓はDD51後期タイプの最終チェックがメインの仕事となりました。
ATM社
ATM社ではDD51各タイプを1輌ずつ並べバージョン違いによる相違の検査が直ぐ始められるよう準備がしてありました。種類が多いので検査標記等も含め一つ一つチェックしていくのも図面と首っ引きです。
各タイプ一輌ずつ並べられたDD51。壮観です。
JR貨物A更新車
JR貨物B更新車
ATM社
翌日は朝から本格的にDD51の最終検査です。ATM趙社長、ほとんど休みを取らないで土日も仕事をしています。
<EF81途中報告>
こちらでは双子の兄弟の弟の趙さんがEF81のサンプルモデルを製作中です。EH200のサンプルも彼が以前手掛けていました。組立の腕前は他のATMメンバー同様超一流です。
EF81下廻りと台車。
一昨年11月田端でのEF81の取材の成果が良く出ていると思います。ピットに潜っての下廻りの撮影の甲斐があるというものです。このサンプルを更に改良の上、量産品へと繋げていきます。
続いて台車の写真です。これがムサシノモデルのスタイル。付けられるものは全て表現する、但し大げさにならないよう全体のバランスを取りながら自然に見えるように再現していきます。
車体は本当の意味でのファーストショット。裾の台枠の凹部の表現。これまでの車体の裏側に帯板を貼る方式では表現がオーバーすぎてしまいます。一つ思案のしどころとなっています。例えば車体の真鍮板の厚みが0.4㎜とするとその80倍で車体鋼板の厚み32㎜となります。まるで装甲機関車。当店ではこのような部分も今までのルーティンに囚われないで新しい模型を創り上げてまいります。
因みにこのEF81サンプルは133号機のモデルです。この写真ではまだ写っていませんがEF81 3次型75号機以降、屋上抵抗器カバー(銀色の大きな部品)の形状が変わり、高さも若干高くなっています。実物写真でも大きな特徴となって認識できる部分ですが当店ではこの部分、2次型以前、3次型以降の作り分けを初めて行う事になります。大いに期待して頂いて良い部分だと考えます。現在当店ではEF81のバリエーション展開の構想を練っている所です。発売は約1年後の予定です。
<ED12途中報告>
ED12も図面が各タイプ共終了しており引き続きサンプルモデルの製作に取り掛かっていきます。写真は組立前のED12各部品です。ATMではEF15も製作予定でED12は旧型電関のATM社第一作となります。タイミング的にも丁度良く旧型電関モデルの腕慣らしには絶好のプロトタイプです。25年前の当店ED12製品と較べて相当のグレードの向上となります。当店としてもかなり力こぶが入ってしまうモデルです。
2日目のお昼ご飯は会社の近所でじゃじゃん麺を食しました。韓国では最もポピュラーな食事で韓国オリジナルの中華料理です。
人が食べているのを初めて見た時はなんじゃこりゃ!とぎょっとしたものですが、今では訪韓時必ず一回は食べています。ひき肉と玉ねぎをよく炒めてこの色を出しているようですが唐辛子は使わず玉ねぎの甘味が出て結構いける味です。価格もテゴロでさっと食べられ昼時には持って来いの定番メニュー。
麺とよくかき混ぜて食べます。
これは必ず付けたしで出てくる揚げ餃子。韓国ではこれもマンドゥと呼んでいます。
朴さんも趙社長同様、休みも取らずひたすら仕事に打ち込んでもらっています。DD51最終組立と検品を行っています。。
<EF64途中報告>
EF64のボディその他の写真です。
EF64は量産品の組立も7割方終了しています。これらの写真はATM社長がメールで送ってきたものです。サンプルと較べ大幅に改良され品質が大いに向上しています。
EF81と較べ下廻りの構造がまったく違うのが模型でも完全に再現され面白いところです。
2日目の夜はこれまた定番のサンギョプタル(豚焼肉)。
Real Tech Model
3日目の朝はムサシノモデルの新しい取引工場リアルテックにて蒸気機関車モデル8850の打ち合わせを行いました。社長の金さんは英語教師の免許を持っており超真面目で誠実な人柄の人間です。アートのウジン氏同様、自分の理想の模型を目指して妥協はしない。ある意味非常にマニアック(良い意味において)な模型を製作してきました。彼が今まで作ってきたアメリカ型の蒸気機関車モデルは最も日本的な特質を持った韓国製モデルだと感じています。またヨーロッパ型のモデルはHOゲージ、Oゲージ共シャープさと温かみ柔らかさを兼ね備えて超一級品です。当店としても彼との共同作業に大いに期待しているところです。
リアルテック社長の金さん。8850のモデルは日本の昔のトビーさんのものをより現代風にグレートアップしたような製品を目指しています。最近の日本型蒸気モデルによくあるオーバースペックなディテール表現と肥大肥満化してしまったプロポーションとは対極的なモデルです。当店としてはこの作風を発展させC51を色々と作りたいと考えてはいるのですが・・・・・・・
エアータンクの取付金具一つを取ってもこの懲りようです。
ここでは時間が無いので海鮮チャンポンのなるべく辛くないものを出前で取ってもらいました。赤くないのは青唐辛子で辛味を付けているからです。
午後はATMに戻ってDD51の最終チェックを最後まで仕上げて終了となりました。夜はATMメンバー全員と夕食を共にしました。
メニューはカルビでもタレに付け込んであるものでワンカルビというもの。付け込んでないものは鮮カルビと呼ばれます。
アートホビーズ
最終日はアートホビーズでOJ貨車の進行具合の確認。16番の貨車の図面はウジン氏担当で既に終了しましたが社長担当のDD12、DD41はまだ図面が終了していません。
レム5000、6000の庫内も細かく作り込んでいるのが分かります。
妻面まで作り込みが及んでいます。
レム6000の屋上のリブ表現。
レム5000、6000庫内の床の表現。水を中央の溝に落としその中心からドレインを外に排出するその道理がこの模型でちゃんと再現されています。結構凄いです。
テラ1の車体。
ワラ1
組立中風景。半田付はほぼ終了してきています。一部塗装に廻っていきます。
レム5000。レム6000との屋上の形態の違いにOJスケールだとかなりはっきりと差が出ます。
今回は久しぶりの訪韓でしたがかなり充実した内容の仕事を行う事ができました。
Fin